この本を親父に見せたところ、「藤沢さんが社長になろうとしていたら、冗談じゃなく本田技研は分裂していた。なにせ藤沢副社長が会社の実印をもっていて、本田社長は実印をもったことがなかったのだから・・・」と笑っていました。 ちょっと残念な内容世界の本田のことを書いているのはわかるけど、内容があまりにお粗末。もう少し、意外な事実が書かれていると期待して購入したが、「噂の真相」とか「女性週刊誌」のゴシップ記事程度のリサーチで書いてる。
退社前に会社の金を60億引き落としたことを、筆者が発見したと書いてあるが・・・・。一介のジャーナリストに見つかるようなら、国税局や東京地検にとっくに逮捕されているのでは?
たしかに、29年危機が藤沢の楽観的で町工場的な経営内容にあったというのは理解できるが、社長の座を狙っていたことに関しては“なぜ社長になりたかったのか”、“解約した60億円もの金はどこへ行ったのか“
への言及が無く、「ここまでやったのだから社長になりたいと思うのが当然」という前提に立っている
だけなので、薄っぺらい感が強いのは否めない。
というか・・・子供の作文 「世界のホンダ」がモデル夢を追い続ける技術畑の創業社長と数字に強い副社長。みんなから好かれるのはいつも社長のほうだった。
著者の清水一行氏は数多くの小説を書いているがこれは代表作のひとつといっていいだろう。おすすめ。
しかし、一番のテーマは、「神の見えざる手」ではないでしょうか?主人公が「神」の意思を知り、それを実現しようとします。それこそが、日本を守ることだと信じて・・・。
ところで、私ごとですが、私はこの小説を読んで、国債、為替に魅力を感じなくなりました。そして、神の見えざる手は、株式市場において一番機能すると悟りました。つまり、私=素人では、国債や為替を投資対象に選ぶべきではないと悟りました。理由は・・・。なぜなら、神の見えざる手が、国債市場、為替市場では働かないと思った、つまり、相場を、操作管理できると、信じている人たちが、国債市場、為替市場を支配しているからです。早い話が、不正で、いびつだからです。
国債市場、為替市場が、こんな恐ろしい世界なのかと思って、身震いしました。そして、株式市場が平穏であることを喜びました。